日に日に春になっていく。
二十四節気【啓蟄(けいちつ)】

こんにちは。暦生活の細川です。

ここ数日、ようやく寒さも落ちついて、春らしくなってきました。

通勤の途中、朝日をあびた草花を見ると、みんな気持ちよさそうで、「いいなぁ、写真撮りたいなぁ」とおもうのですが、そんな日にかぎっていつもカメラは家で留守番しています。

日に日に春になっていく。そんな季節ですが、一年を24の季節にわけた二十四節気では、「啓蟄(けいちつ)」という季節になります。なんだか難しい漢字です。

啓蟄は、寒い冬のあいだ、土の中ですごしていたいろいろな虫たちが穴を啓(ひら)いて地上へ出てくるころ。「蟄(ちつ)」は、虫などが土の中にかくれているという意味です。

虫やカエルなどの生き物たちがめざめはじめ、少しずつにぎやかになっていきます。

 

 

このころは、春の雷がひときわ大きくなることから、昔の人は「雷の音におどろいて虫たちが出てくる」とおもい、春雷を「虫出しの雷」と名付けたそうです。

ひと鳴り、ふた鳴りで鳴りやむみじかい雷ですが、ネーミングセンスにユーモアがあって面白いですね。

 

 

啓蟄には、さらに三つの季節があり、「桃始笑(ももはじめてさく)」もそのひとつ。5日間というみじかい期間ですが、漢字と読みを見るだけで春を感じられる、とても素直でかわいい季節です。

読んで字のごとく、桃のつぼみがふくらみ、花が咲きはじめるころ。

花が咲くことを、昔は笑うといっていました。昔の人の繊細な表現は、ほんとうに素晴らしいですね。そういわれると、なんだか笑っているように見えるから日本語は不思議で素敵です。

 

 

週末にスーパーで買い物をしていると、菜の花やハマグリ、わらびなど春の食材がならびはじめ、ながめているだけで春を感じることができます。
鮮魚コーナーには、さわらやめばる、さよりなど春の魚がたくさん。

さわらは漢字で「鰆」と書き、名前のとおり春を代表する魚です。

さっぱりしたさわやかな味のさわらはコレステロール値を下げ、動脈硬化やがんなどの予防に効果があります。一般的に魚は頭のほうがおいしいといわれていますが、さわらは尻尾に近いほうがおいしいそうです。今晩の食卓にさわらの西京焼きなんていいですね…。

 

 

一年ぶりに感じるぽかぽかした春の陽気にさそわれ、生き物たちが出てきてにぎやかになり、僕も気持ちが少し軽やかになります。

頬にあたる風も、去年と同じようで、どこかちがう春の風。
ちゃんと前をむいて、希望を感じながら、一日一日をていねいに過ごしていきたいとおもいます。