豆をまいて春を迎えよう
二十四節気【大寒】

大寒

こんにちは。暦生活の下滝です。

冷たい北風が窓をたたいて、朝は布団から出るのが心底辛くなってきました。
ですが、晴れた青空に舞う白い風花に心が癒やされたり、外の雪を眺めながら温かいお茶を飲むと、心が静かになってくるのを感じます。冬の良さも悪さも味わい尽くせる時期ですね。

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暗い色が多い冬の街を華やかにしてくれる成人式が終わり、もしかしてそろそろ春がやってくるんじゃない?と春のちいさな気配も時折感じられる1月20日から2月3日頃を二十四節気では「大寒(だいかん)」といいます。

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ひとつ前の「小寒」と「大小」の寒さを分けたより寒い頃。二十四節気で表される冬の季節最後の大寒には、全国で最低気温が記録されたりと、寒さが絶頂を迎えます。

大寒は1月20日からはじまることが多いのですが、この日は「二十日正月」といって、お正月の行事をすべて終える日とされています。
二十日正月には、新年の料理で残った鰤(ぶり)などの頭や骨などを使って鍋や団子、煮物などを作っていただいたことから「骨正月」「団子正月」と呼ぶこともあるそうです。お正月の贅沢な料理やお餅を食べ尽くしてしまおうという心意気は見習いたいところですね。

この時期の水は「寒の水(かんのみず)」と呼ばれ、雑菌が繁殖しにくく、長期保存の味噌や酒を仕込むのに適しているそうです。そのほかにも、寒さを活かして精神を鍛える寒稽古が早朝に行われるなど、極寒の時期をうまく利用する先人の知恵にはなるほどと感心してしまいます。

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そして大寒の最後の日である2月3日には、豆をまくことで知られる「節分」が行われます。

じつは、二十四節気の「立春・立夏・立秋・立冬」の前日はすべて“季節を分ける”という意味で「節分」といい、昔は各節分ごとに行事があったそうです。その中でも「立春」は冬から春に変わる一年のはじまりとして新年の邪気払いを行ったりと重要視されていたため、今では節分というと立春の前日を指すようになりました。

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「福は内、鬼は外」と掛け声をかけながら、炒った大豆や落花生などの「福豆(ふくまめ)」をまいて、年の数(地域によっては年の数にひとつ加えた数)だけ豆を食べて厄除けします。

昔から、季節の変わり目には「邪気(鬼)」が生じると考えられていたため、悪鬼を追い払おうとはじまったそうです。豆をまく理由は、鬼の目を射る「魔目」、魔を滅する「魔滅」の語呂合わせという説や、中国から伝わった儀式が定着したという説があります。
厄を追い払い、一年の無病息災を願う行事として古くから親しまれてきました。

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また、節分の夜には柊(ひいらぎ)の枝に鰯(いわし)の頭を刺したものを家の入口に挿しておく風習もあります。
鬼がやってくると考えられた夜に合わせて準備しておくと、柊が刺さって鬼が痛がったり、鰯の悪臭に驚いて逃げていくとされているそうです。
チクチクとした鋭い葉をもつ柊は「鬼の目突き」「鬼おどし」などとも呼ばれ、邪気が家の中に入らないように願って飾られました。
暗い道で見かける鰯の頭にはドキッとしそうで、確かに魔よけに効果がありそうなこの風習ですが、地方によってはニンニクやネギ、毛髪を使うところもあるとか。存在を知らないと驚いてしまいますね。

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節分を終えると、暦の上ではいよいよ春がはじまります!雪や氷のつくりだす美しい景色とも、もうすぐお別れ。
晴れた日には凍った地面から顔を出すフキノトウを探してみたり、木々の芽吹きを眺めて、季節の移りかわる“今だけの空気”を感じてみてはいかがでしょうか?

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